セネガル -- 放課後活動 は路上の 物乞い(その1)
2010-05-21


タイトルを見て、「ああ、アフリカの貧しい子供たちの話だな」と思った方も多いかもしれません。今回から3回に分けてご紹介するフォト・ストーリーは、アフリカ大陸の西にある、セネガルの少年たちの日常です。

フランスの植民地だったセネガルは、現在は大多数がイスラム教徒の国です。ほとんどが12歳以下の少年たちが何万人も、寄宿型のコーラン学校(ダーラ)で生活をしています。

両親は、子供たちが日々イスラムの教えを学んでいると思っている(またはそう考えるようにしている)一方で、少年たちはコーラン学校の教官(マラブー)に路上で物乞いを強制され、日々虐待されている--それが今回ご紹介するお話です。タイトルから思い浮かぶであろう、発展途上国のストリートチルドレンのお話とは、実はちょっと違います

禺画像]
                                                                             (c) 2008 Thomas Lekfeldt
これは、セネガルの首都ダカール(パリ-ダカール・ラリーのダカールです)でタクシーの運転手にお金を乞う3人の少年たち。トマトの缶をそれぞれが持って、お金や米、砂糖を集めて、コーラン学校の教官に持ち帰るのです。ノルマを果たせないと、待っているのは殴る蹴るの虐待…。

その実態は、4月15日にヒューマン・ライツ・ウォッチが発表した報告書「子供たちの搾取をやめよ:セネガルにおける強制物乞いと虐待の実態」(全114ページ、英語)に詳しいので、ぜひお読みください。

禺画像]
                                                                             (c) 2008 Thomas Lekfeldt
物乞いに向かう途中の少年グループ。彼らは平均して、一日7時間も路上で物乞いをさせられています。タイトルは「放課後」となっていますが、本当は放課後活動どころか、フルタイム活動なのです。HRWの報告書によると、ほとんどの人が一日2ドル以下で生活しているセネガルで、子供を搾取しているコーラン学校の教官たちは、一年になんと2万ドルから6万ドルを荒稼ぎするといいます。中には奴隷のように少年たちをこき使った結果、一年で10万ドルを稼ぐ教官もいると聞けば、出る言葉もありません。

禺画像]
                                                                             (c) 2008 Thomas Lekfeldt
交通の激しい路上や交差点が、少年たちの校庭

続きを読む


コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット