NY&Boston レポートvol.6 WTC tribute center
2012-04-06


ニューヨークに到着した日、グラウンドゼロ南に設立された、9.11テロを悼む資料館、Tribute WTC visitor centerを訪問しました。ニューヨークに来たならば必ず訪れるべき場所だと考えたからです。

以下参加者中森さんのレポートです。
 2001年9月11日、アメリカ同時多発テロにより崩落したワールドトレードセンター。事件当時私は11歳の小学5年生だった。小学生ながらに、何かすごいことが起きたのだという感覚はあったが、実際にどんな状態だったのか、何が起きたのかは分らなかった。その後も恥ずかしながら事件に関して深く学ぶことなく10年を過ごし、9.11テロは自分とははるか遠いところで起こった出来事で、どこか現実味に欠けた出来事のように感じていた。今回このツアーでTribute WTC visitor centerを見学することで、やっと事実として実感できた。

跡地や資料館だけでなく、周辺にはテロの歴史を感じさせるものがたくさんあった。跡地へ向かう途中の街のある壁には、燃えているビルとその火を鎮火している消防士たちを描いた大きな銅板が飾ってあり、日常の中で目にすることでより強く9.11テロを人々の記憶に残しているように感じた。またその銅板の下には、当時鎮火に携わったとみられる何人かの消防士の写真が飾ってあった。その写真はきっと遺族により飾られたもので、誰かにとってとても大切だった命が奪われたのだということが伝わってくるようなものだった。

また、途中でトリニティー教会にも立ち寄った。トリニティー教会はワールドトレードセンターから近かったため、当時緊急避難所として、がれきや粉塵から逃れる人々の避難所になっていたようだ。教会の奥には子供たちからのたくさんの手紙が展示されており、その手紙には、テロに対して子供が感じたことや願いなどが書かれていた。多くの手紙には燃えているビルと飛行機の絵が描かれており、私が記憶している、事件当時放送されていたニュース映像そのままだった。ただ、ここでも消防士の絵を多く見かけたことが印象的である。私個人の記憶では、当時のニュースではビルの映像のインパクトが強すぎて、消防士の姿までは覚えていない。しかし、事件の当事者と客観的立場とでは感じ方も違うし、見てきたものも当然違う。完全にとは言えないが、当事者が見てきたものに、少しは触れることができ、感じることができたのではないかと思う。

 

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