イラク戦争が始まったあとは、あまり注目されなくなっていたアフガニスタン。オバマ政権になり、アフガニスタンへの増派に関する話題が出るなど、また、報道されるようになりました。
シリーズ・地雷とともに生きる人々 2回目の今回は、そのアフガニスタンでの地雷使用の話です。写真は、引き続き、スペインの写真家ゲルバシオ・サンチェスの撮影です。
近年、アフガニスタンでの暴力は、ますます深刻になっており、非常に憂慮される事態となっています。
しかし、明るいニュースもあります。アフガン軍も、米英軍も、対人地雷を使用したという報告は、されていません。というのも、アフガニスタンは、2002年に対人地雷全面禁止条約に入り、それ以来、備蓄していた48万6千以上の地雷を処分したのです。
それから、アメリカ政府は、残念ながら、対人地雷禁止条約に入っていない(米国に加盟を求めるヒューマン・ライツ・ウォッチの声明はこちら)のですが、
それでも、対人地雷をつかっていません。これは、1997年の対人地雷禁止条約の成立の結果、対人地雷に非人道的武器という烙印をおされ、条約に入ろうとしないアメリカであったとしても、使用できない状況が作り出されたためといえます。
1998年から2008年の10年間で1万2000人以上という犠牲者の数について、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL、ヒューマン・ライツ・ウォッチは創設メンバー)は、世界各国の中で、最大の犠牲者数とみています。
対人地雷は、女性と兵士の足、子供と兵士の足の区別などできません。
無差別に、足をおいてしまった者に対して危害を加えます。
HRWは、前述の地雷禁止国際キャンペーンの創立メンバーとして、1997年にノーベル平和賞を受賞しており、今後も、このような非人道的な兵器の撤廃を目指して活動して参ります。
このシリーズ第一回地雷とともに生きる人々T―南米・コロンビアの少女モニカ―[LINK] も、こちらからご覧ください。